成功率「90%以上」の
米国式の治療を採用
- マイクロスコープや高倍率ルーペを使った精密治療
- ラバーダム防湿等を利用した無菌治療
- 徹底した殺菌処理
外科治療を含む、難症例に数多く対応
【主訴】奥の歯肉が腫れ、他の歯科医院を受診したところ抜歯と言われ、かかりつけの矯正歯科医の紹介により来院。
【診断】神経はすでに死んで腐っていた。歯根の先から骨の中に細菌が侵入し排膿を起こしていた。
根管治療を開始。根管内を洗浄後、MTAによる根管充填を行った。
【治療期間】1時間半の治療を2回
【費用】約15万円(補綴は含まず)
【経過】1年後、膿により溶けていた骨が再生。
治療前は噛むことが困難だったが、治療後は違和感なく噛むことができるようになり、口臭もなくなった。
【主訴】他の歯科医院からの紹介で来院。
【診断】難治性根尖性歯周炎と診断。
根管治療を開始。根管内を洗浄。さらに根管以外の穴の開いたところも洗浄。MTAによる根管充填を行った。
【治療期間】2時間半の治療を2回
【費用】約22万円
【経過】1週間後、腫れ消失。1年後は根尖付近に骨の増成が見受けられた。
現在は腫れることもなくなり、違和感なく噛むことができるようになった。
【主訴】右頬が大きく腫れ上がり痛みを我慢できず、来院。
【診断】難治性根尖性歯周炎と診断。
根管治療を開始。根管内を洗浄。
Nd:YAGチタンサスペンションシステム(Nd:YAGレーザー)を用いた洗浄を行い、MTAによる根管充填を行った。
【治療期間】1時間半の治療を2回
【費用】約15万円
【経過】1週間後、腫れ消失。1年後は根尖付近の骨が増成され、治療前と比べて違和感なく噛めるようになった。
【主訴】歯根から膿が出たり、歯が動揺(ぐらぐら)するということで来院。
【診断】歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)であった。
根管治療を開始。根管内の洗浄後、MTAによる根管充填を行った。
【治療期間】1時間半の治療を1回
【費用】約10万円
【経過】1年後骨の再生も見られ、歯の動揺もなくなった。
【主訴】右下奥第1大臼歯下に膿が溜まり、免疫機能が下がる度に腫れていたため来院。
【診断】他の歯科医院で過去に受けた根管治療において4根管中2根管しか治療されていなかったことが判明。
その結果、根管の先から細菌が骨の中に侵入し、免疫反応により炎症を起こしていた。
根管治療開始。4根管を徹底的に洗浄。MTAによる根管充填を行った。
【治療期間】2時間半の治療を1回
【費用】約22万円(1根管約5万円×4根管)
【経過】治療直後より腫れがなくなり、1年後にはレントゲンに写っていた黒い影(膿)が消失して骨が再生。
治療前と比べて、違和感なく噛めるようになった。
【主訴】下の前歯がぐらつき、歯肉が腫れた状態で来院。
【診断】根尖性歯周炎と診断。
根管治療を開始。根管内を洗浄。MTAによる根管充填を行った。
【治療期間】30分の治療を4回
【費用】約10万円
【経過】半年後、動揺と腫れが治った。7年後、骨が完全に形成された。
根管治療では治らない歯根先の病巣に対して、歯根端切除術を行いました。
歯根端切除術は、外科的に歯根病巣の摘出し、歯根端の切除、逆根管充填を行うことで、抜歯しないで歯を残す方法です。
根管治療には「日本式」「米国式」の2つの方法があります
歯の根っこの中の神経や血管が通っている管のことを「根管」といいます。根管には痛みを感じる働きの他に、歯に栄養を与える役割も担っています。
しかし、虫歯が歯の神経(歯髄)まで進行すると、虫歯菌によって歯の神経は死んでしまうため、細菌で汚染された神経を除去し、歯の根の中を洗浄します。これを根管治療と言います。
この根管治療には、「日本式」と「米国式」という2つの方法があります。その違いは成功率です。具体的にお伝えすると、日本式の根管治療の成功率は約50%程度とされていますが、米国式では90%以上という非常に高い成功率を誇ります。
なぜ、日本式と米国式でこれほど大きな差が生まれるのでしょうか。その原因は保険診療の壁にあります。
日本式の場合、保険適用の範囲内で治療を行うため、どうしても治療にかけられる時間や使用できる薬剤などが定められてしまいます。これは、内科や外科に比べて、歯科は保険点数が大幅に低いという理由から、最低限の治療しかできないのが原因です。そのため、右の図のように残念ながら再治療となる患者さんが多いのが現状です。
一方、米国式は保険適用外となりますので、治療時間も使用する薬剤にも制限はありません。簡単に保険治療と保険外治療を表にまとめてみました。
※保険診療請求内訳データから(東京都 歯内療法調査データ 平成17年)
| 保険診療(日本式) | くげぬま歯科室精密根管治療 (米国式・自費) |
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視野 | 肉眼またルーペ (根管内の細部は言えない状態で勘に頼った治療) | マイクロスコープ (20倍まで拡大可能) |
診断材料 | 2DデンタルX線 (根管の細かい形状や数の診断は難しい) | 3D歯科用CT (細部まで立体的に把握できる) |
治療器具 | ステンレススチール製ファイル (手作業で操作) | ニッケルチタン製ファイル (電動で操作性が良く、しなやかに曲がるファイル。根管を傷つけることなく細部まで届く。 |
防湿 | 簡易防湿 (ロールワッテ) | ラバーダムまたはZOO |
根管補填材 | 天然ゴム製のガッタパーチャ | MTAセメント |
1回の治療時間 | 15分~30分 | 60分~120分 |
治療回数 | 3回~5回 (症状によっては10回以上かかることも) | 1回~2回 ※被せ物の治療は別になります。 |
治療成功率 | 30~50% | 90%以上 ※抜髄根管治療の場合 |
圧倒的成功率の高さを誇る「米国式」根管治療とは?
米国式根管治療のポイントは、大きく3つに分けられます。
- 拡大された視野での治療
- 無菌環境での治療
- 徹底した殺菌処理
これらについて、それぞれ詳しくご紹介します。
ポイント1.拡大された視野で治療
根管治療では、感染部位を残さないことが成功の鍵です。しかし、根管内は狭く暗いため、「肉眼」での確認には限界があります。そこで当院では「マイクロスコープ」や「高倍率ルーペ」を活用し、精密な治療を実現しています。
また、CTを使った、細かく正確な判断で根管治療の成功率を上げられるよう努めています。
肉眼の何十倍もの視野を確保
マイクロスコープや高倍率ルーペを使用することで、肉眼では見えにくい細部までしっかりと確認しながら治療を進めることが可能です。これにより、感染部位の見落としを防ぎ、治療の精度が向上します。
以下の画像は、同じ部位を「肉眼」と「マイクロスコープ」で見た場合です。見え方が大きく異なります。
患者さんも確認可能
当院のマイクロスコープには動画撮影機能が備わっており、治療の過程を撮影し、後ほど患者さんに確認していただけます。
CTでの正確な診断
当院では、根管治療において「CT」を使用しています。CTは立体的な画像を提供し、顎の骨や神経の位置を詳細に把握できるため、治療すべき箇所を正確に特定することが可能です。レントゲンでは確認できない問題箇所も、CTでは明確に映し出されます。
マイクロスコープ、高倍率ルーペ、CTによるメリット
・治療回数の短縮(1回〜2回で完了)
・治療成功率の向上
・再発リスクの低減
ポイント2.無菌状態での処置
根管治療の成功には、感染除去と安全性の確保が不可欠です。当院では、米国式治療で使用されている「ラバーダム防湿」、「超音波洗浄機(ピエゾフロー)」、そして「ニッケルチタンファイル」という3つを活用した治療を行っています。これらにより、根管治療の精度と安全性の向上に努めています。
ラバーダム防湿
ラバーダム防湿は、治療する歯をゴム製のシートで覆い、唾液が治療部位に入り込まないようにする方法です。このシートにより、治療する歯だけが隔離され、無菌状態を保ちながら安全に処置を行うことができます。
治療部位が大きくラバーダムの装着が難しい場合は、まず「隔壁」(レジンなどで歯の周囲に作る壁)を形成してからラバーダムを使用します。
ラバーダム防湿のメリット
感染リスクの低減
唾液が治療部位に侵入するのを防ぎ、再感染のリスクを大幅に下げます。
視野の確保
治療部位が明確に見えるため、細かい操作がしやすくなります。
誤飲防止
治療中に誤って器具や材料を飲み込むリスクも軽減され、安全性が向上します。
超音波洗浄機(ピエゾフロー)
ピエゾフローは超音波を利用して根管の内部まで効率的に洗浄できる機器です。超音波の振動を使って根管の奥深くまでアプローチできるため、細菌や汚れ、バイオフィルムまで徹底的に除去することができます。
歯には象牙質細管(ぞうげしつさいかん)と呼ばれるストローのような小さな通り道がいくつもあり、ここに細菌が潜んでいることが多く、除去するのは難しいとされていました。
しかし、ピエゾフローを使用すれば象牙質細まで洗浄液を届けることができるため、徹底した口腔内の除菌が可能です。
ピエゾフローは60秒と言う短時間で従来の機器とは比べ物にならないレベルの清掃を行えるため、再発リスクも低減できます。
ピエゾフローメリット
■洗浄力が高い
従来の機器では届きにくい箇所まで洗浄液を届けることができるため、細菌や汚れ、バイオフィルムまでも除去することができ、治療精度を向上させてくれます。
■再発リスクの低減
細菌を徹底して除去できるため再発リスクを抑えることができます。
■患者さんの負担が少ない
操作が簡単なため、スピーディーに治療を行うことができ、患者さんの負担を抑えられます。
ニッケルチタンファイル
根管内の感染部位を除去する際「ファイル」と呼ばれる機器を使用します。一般的には「ステンレスファイル」と呼ばれる機器を使用するのですが、ステンレスファイルは固いため、湾曲した根管に対応しにくく、無理な力をかけると根管を損傷するリスクがあります。また、根管内に破折したファイルが残ったまま充てんされてしまうケースもあります。
これらのリスクを回避するために、当院では「ニッケルチタンファイル」を採用しています。ニッケルチタンファイルは、非常に柔らかく、湾曲した根管にも適応できるため、複雑な形状の根管治療もスムーズに行うことができます。ファイルが治療中に折れるリスクも軽減されるため、治療精度を追求するならニッケルチタンファイルを採用している歯科医院をおすすめします。
ニッケルチタンファイルのメリット
柔軟性と耐久性
ステンレスファイルと比べて非常に柔軟なので、湾曲した根管でも精密に感染部位を除去できます。
治療の負担軽減
柔軟性が高いニッケルチタンファイルは精密な操作が可能です。そのため、スムーズな治療が可能となり、治療時間を短縮できます。
再発防止
ニッケルチタンファイルは、ステンレスファイルと比べて操作性が高いため、徹底的に感染部位を除去でき、再発リスクが低減されます。また、柔軟性が高く、治療途中にファイルが折れてしまうリスクもほとんどありません。ファイルが根管内に残ってしまう「破折ファイル」と呼ばれるケースになるリスクも低いです。
ポイント3.徹底した殺菌処理
根管治療において成功率を高めるためには、徹底した殺菌処理が不可欠です。当院では、最新の技術を駆使して殺菌処理を徹底的に行っています。
「Triton」「Q Mix」による洗浄
Triton
根管治療のための多機能洗浄液です。次亜塩素酸ナトリウム、クロルヘキシジン、EDTAを主な成分とし、根管内のバイオフィルムや細菌を効果的に除去してくれます。日本ではまだ入手不可のため、当院ではアメリカから取り寄せて使用しています。
Q Mix
Q MixもTritonと同じく根管治療のための多機能洗浄液です。クロルヘキシジンとEDTAの特性を併せ持ち、根管内の清掃と殺菌を同時に行えます。
レーザーによる殺菌
歯科用レーザーは、目に見えない細菌を殺菌するために非常に効果的です。レーザーの殺菌作用により、根管内の残存細菌を徹底的に除去します。
MTAセメントによる殺菌
根管治療の最後のステップでは、根管を充填する際にMTAセメントを使用します。MTAセメントを使用する代表的なメリットは次の通りです。
メリット1封鎖性に優れている
硬化する際に約1%膨張するため、隙間なく根管を塞ぐことができます。細菌の侵入を防ぎ、再発リスクを低減させます。
メリット2優れた殺菌効果
多くの細菌はアルカリ性に弱いです。少し専門的なお話になりますが、物質の酸性、中性、アルカリ性を示すpHが9.5でほとんどの細菌は死滅しますが、MTAセメントは練和(材料を混ぜ合わせること)直後でpHは10.0程度、3時間後にはpH12.5までになるため、根管内の細菌を死滅させることができます。
メリット3骨や歯を再生させる
水酸化カルシウムを持続的に放出するため、吸収された顎の骨や歯を再生することが可能です。
メリット4親水性が高い
保険診療で使用されるガッタパーチャは、根管内を完全に乾燥させた状態で使用する必要があります。しかし、根管内を完全に乾燥させることは、ほぼ不可能です。
MTAセメントは、根管内に多少水分が残っていても使用できるため、治療精度を大幅に向上させることができます。
また、当院ではアメリカから取り寄せた高品質なBCシーラー/パテを使用し、より確実な治療結果を提供しています。
注目!当院では「必ず」マイクロスコープを使用して治療を行います
当院の根管治療はかならず「マイクロスコープ」を活用します。歯科治療において見えない部分は治療しない/できない、ということを意味します。
当院では、暗く狭い根管も詳細に把握して治療を進めるために、マイクロスコープで視野を拡大しながら治療を行います。この取り組みによって、再発率の高い根管治療の成功度を高めています。
通常の治療では対応できない場合には「歯根端切除術」
「歯根端切除術」は、通常の根管治療では対応が難しい場合に用いる専門的な治療法です。特に、歯の根の先端に膿がたまるなど症状が悪化した場合には、一般的に「抜歯」が検討されます。しかし、歯根端切除術を選択することで、抜歯を回避し、歯を保存できる可能性があります。
歯根端切除術とは
歯根端切除術では、根尖部(歯の根の先端)の感染部分を外科的に切除します。この方法では、歯を完全に抜歯するのではなく、歯を支える骨に小さなトンネルを開け、そこから溜まった膿や感染部を取り除きます。これにより、歯を残しつつ、根の先端にある問題を解決することができます。
前歯の破折歯の治療
前歯の破折歯は、外的な衝撃や長期間の使用によって歯が割れることがあり、その治療には慎重な対応が求められます。破折した歯を放置すると、感染や痛み、機能的な問題を引き起こす可能性があるため、早期の治療が重要です。
一般的な治療の流れは以下の通りです。
1.検査
まず検査を行い、破折の程度を確認し、治療方針を決定します。
2.根管治療
内部に感染がある場合、根管治療で感染部分を取り除き、根管を清掃・充填します。
3.歯根端切除術
根尖部の感染が進行している場合、歯根端切除術で感染部分を外科的に除去し、歯を保存します。
4.修復と再建
治療後、クラウンや再建で歯の形状や機能を回復させます。
「セカンドオピニオン」にも対応
根管治療は非常に難しい治療であり、再発に悩まされる方が多くいらっしゃいます。残念ながら、日本式の根管治療では十分な改善が見られないこともあります。そのような場合に「セカンドオピニオン」として、ぜひ当院にご相談ください。
当院では、患者さんからのご相談に加え、最新の「マイクロスコープ」を用いて根管内の状態を詳細に撮影し、その映像をもとに状態をご説明します。これにより、より正確な診断と治療方針の提案が可能です。
根管治療が何度も再発している方、1年以上治療を続けている方、また他院で抜歯を勧められた方は、ぜひ一度ご相談ください。セカンドオピニオンを通じて、より良い治療の選択肢を見つけるお手伝いをいたします。